気体中の水分管理において、最適な測定器を選定するには各センサの測定原理を正しく理解することが不可欠です。本記事では、現在日本国内で広く普及している露点計・水分計を原理別に分類し、それぞれの位置付けや基準器(標準器)としての信頼性について解説します。
露点計・水分計の原理別分類
気体中の水分を測定する機器は、大きく「露点計」と「水分計」に分類されます。それぞれの主要な方式は以下の通りです。
主な露点計の方式
露点温度を直接または間接的に測定する方式です。
- 酸化アルミ方式静電容量式露点計: 最も汎用的な方式。
- 高分子式静電容量式露点計: 応答性と再現性に優れる。
- 水晶発振式露点計: 低露点領域で高い感度を持つ。
- 鏡面式(ミラー式)露点計: 長年の信頼性を持つ基準器。
主な水分計の方式
ppb/ppm単位で水分量を直接・精密に分析する方式です。
- CRDS方式水分計(キャビティリングダウン分光法): 最新鋭のレーザー式。
- TDLAS方式水分計(可変波長半導体レーザー吸収分光法): 非接触のレーザー式。
- 五酸化リン方式水分計: 化学反応を利用した絶対測定。
- 水晶発振式水分計: プロセス用として実績豊富。
- シリコン式水分計: コンパクトな微量水分計。
- FTIR分析計: 多成分同時分析の一環として水分測定に使用。
検量線不要の直接測定方
多くのセンサは標準ガスによる校正(検量線の作成)が必要ですが、物理定数に基づき、原理的に検量線なしで測定が可能な方式があります。
- 鏡面式露点計
- CRDS方式水分計
- TDLAS方式水分計
これらの方式は、測定対象ガスの影響を受けにくく、絶対的な数値を得る必要がある研究開発や、他の機器の校正用として極めて重要な役割を担っています。
基準器(標準器)としての信頼性と歴史
水分測定の現場では、どの機器を「正」とするかが管理の鍵となります。
歴史と実績の「鏡面式露点計」
古くから水分測定の基準として確立されているのが鏡面式露点計です。現在でも多くのメーカーや校正機関において、最も標準的な基準器として不動の地位を築いています。
信頼の新基準「CRDS方式水分計」
近年、各国の標準ガス作成グループにおいて性能比較用の機器として選定されているのがCRDS方式です。正確性、再現性、そして低水分領域での応答性が非常に優れており、微量水分管理における「現代の最高水準の基準器」として認知されています。