産総研(AIST)の計量標準研究部門における「ガス・湿度標準研究グループ」は、日本の計量標準の守り手として、国際単位系(SI)に計量トレーサブルな各種標準の供給を行っています 。ppbレベルの超微量水分から露点95℃の高湿度領域、さらには温室効果ガスまで、日本の産業と科学を支える「測定の物差し」を開発・提供しています 。
湿度標準の開発と供給範囲
当グループでは、幅広い湿度・水分領域において世界最高水準の標準を確立しています。
- 微量水分領域(ppbレベル): 半導体製造や高純度ガス管理に不可欠な、霜点-100℃(約12nmol/mol)付近の超微量水分標準を、世界に先駆けて「拡散管方式」により確立しました 。
- 低・中・高湿度領域: 微量水分から露点95℃に達する高湿度領域まで、全域にわたる標準供給体制を整えています 。
信頼性を支える最先端の計測技術
「国家標準」という最高精度の数値を維持するため、当グループでは独自の高度な研究を行っています。
- 高精度な質量測定(標準ガス調製): 質量測定に基づき、不確かさを極限まで抑えた標準ガスの調製法を研究・確立しています 。
- キャビティリングダウン分光法(CRDS): レーザー光を用いた高感度分光法(CRDS)の研究により、検量線に頼らない絶対測定や、標準供給の検証(仲介器としての利用)を可能にしています 。
社会的課題への貢献:温室効果ガス標準
地球温暖化対策において、温室効果ガスの正確なモニタリングは世界的な急務です。
- 国内観測機関との連携: 気象庁や環境省などの国内観測機関と協力し、温室効果ガスおよび関連ガスの標準開発を推進しています 。
- 国際的同等性の確保: 開発された標準は国際比較を通じて他国の国家標準との同等性が確認されており、日本から発信される観測データの国際的な信頼性を担保しています
標準供給(依頼試験・校正)について
産総研 計量標準総合センター(NMIJ)では、当グループの研究成果に基づき、民間校正事業者やユーザーに対して直接的な標準供給を行っています 。
- 依頼試験: 最新の装置を用いた高精度な校正。
- JCSS校正の支援: 校正事業者を通じたトレーサビリティ体系の整備 。
「産総研 物質計測標準研究部門」の公式Webサイト( https://unit.aist.go.jp/nmij/index.html )

